もし歯周病や虫歯などによって自分の歯を失なってしまうと、見た目の印象が悪くなるだけでなく、1本欠けただけでも咀嚼や発音に影響が出てきます。
そのため、抜けた歯の機能を義歯で補ってあげる必要があります。
義歯の種類
入れ歯には、抜けた歯の周囲の状況(健康な歯の残り具合や歯ぐきの状態など)によって、①ブリッジ(差し歯) ②部分入れ歯 ③総入れ歯 の3種類があります。
このうち①ブリッジは、抜けた歯の両側の歯を土台にして差し歯を固定します。そのため、簡単に取り外すことはできません。
②部分入れ歯、③総入れ歯はご自分で取り外すことが可能ですが、食べかすや歯垢がたまりやすいため、入れ歯専用のケアが必要になります。
入れ歯の正しいお手入れ
・毎食後、口から外して水洗いしましょう。
・1日に1回はブラッシングしましょう。入れ歯のお手入れには、入れ歯専用のブラシをお使いください。
・一般に売られている歯磨き粉は、研磨剤を含んでいるものが多いため、使用しないでください。表面に細かい傷がつくと、そこから細菌が発生しやすくなります。
・普段のお手入れは水洗いで充分です。油分が気になるときは、台所用の中性洗剤を薄めて洗浄し、よくすすいで使ってください。
・就寝時は入れ歯を外します。口の中は温度が高く湿っているため、外さずに寝ると細菌が大量に発生してしまいます。
・就寝中に外した入れ歯は、洗浄液に浸けておきます。外した入れ歯を放置して乾燥させると、ひび割れなどの原因になります。
・入れ歯にも歯石は付きます。歯石は自分では取れないため、歯科医にご相談ください。
汚れた入れ歯を放置すると
汚れた入れ歯を放置すると、そこから細菌が繁殖します。
お口の中の細菌が増えると、歯周病や虫歯になりやすくなり、口臭の原因にもなります。
歯ぐきが炎症を起こすと痛みが生じて、食べ物をかむことが困難になります。
また、口腔カンジダといって、お口の中に白いカビ(カンジダ菌)が生えてしまうこともあります。
嚥下機能(ものを飲み込む機能)が低下した高齢者などが、細菌を多く含むだ液を飲み込んだ場合、誤って気道に入ってしまうと誤嚥性肺炎を引き起こして生命の危険になる場合もあります。
以上、一般的な入れ歯のお手入れについてまとめましたが、材質や種類によって細かい方法は異なりますので、気になることがあればお尋ねください。
また、入れ歯を使っているうちに、あご歯ぐきの状態が変わったり、入れ歯がすり減ったりして、徐々にフィットしなくなることがあります。市販の入れ歯安定剤でも一時的には調整できますが、できるだけお早めにご相談ください。